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APPLE

ドコモXi契約のSIMフリー版iPhone 4Sでiモードメールを使う

By 2011年12月17日10月 15th, 2019No Comments

2011年12月15日、auから「絵文字・Eメール着信通知機能のiPhone 4Sへの対応予定のお知らせ」 が発表されました。auでは国際SMSが通らないばかりに、一部のアプリを使う事にものすごく支障がある事は知っていたんですが、一方で全く知らなくて驚 いたのが「Eメール (@ezweb.ne.jp) のリアルタイム着信通知機能」をこれから対応させる、というものでした。

お知らせのページでは、注意書きで「現在は、15分間隔での自動受信が可能です。また、auのEメール (@ezweb.ne.jp) を、リアルタイムに着信通知できる他のメールアドレスに転送することも可能です。」とあるので、つまるところ、15分間隔でのフェッチ受信という事ですね。また、リアルタイムに着信通知できる他のメールアドレスに転送、というのは、プッシュ通知可能なメール(GmailやYahoo!メール)に転送して メールを受けられるけれど、返信する際には転送先のメールアドレスで返信する事になるので、auのEメールとしては返信できない、という事になります。

au 版iPhone 4Sは、auから提供されているキャリア公式iPhoneの1つです。既存のau携帯と同じ様にメールはリアルタイム着信して当然と思っていただけに、メールの現況に驚きました。これでは、au版iPhoneユーザはかなり不満があるのではないでしょうか。またその他にも、iMessage、 FaceTimeが現状では使えないようですね。他社アプリで楽しんでいる人は良いと思いますが、純正機能を楽しみにしていた人にとっては拍子抜けではな いでしょうか。

さて、一方で私のドコモXi契約のSIMフリー版iPhone 4Sの場合。ドコモですから、キャリアメールとして、いわゆるiモードメール(@docomo.ne.jp)があります。以前に書いた、iPhone 4SをドコモXiで使う【購入契約編】で も触れましたが、FOMAからXiへ契約変更する際に、プロバイダとしてmopera U スタンダードを新規契約し、更にプロバイダとしてのiモードをISPセット割で継続契約(これでiモード分は実質無料)して残したため、今まで使っていた iモードメールのメールアドレスはそのまま残存している状態です。

当然の事ながらiPhone 4Sはiモード携帯ではありませんので、iモードの契約が残っているとは言っても、iモードメールを着信する事はそのままではできません。しかし、iモードメールを送受信するアプリが幾つかiPhone向けに存在します。ドコモでは以前から、iモード端末以外の端末(PC等)でiモードメールを送受信でき る様に「iモード.net」(月額210円)を提供しています。iPhone向けに出ているiモードメール用のアプリは、全てこの「iモード.net」の仕組みを利用し、iPhone上でのiモードメールのやりとりを実現しています。

折角残したiモードメール(以前にも書きましたが、iモードサービスが開始された日に取得した少ない文字数での@docomo.ne.jpを保有しています)ですので、iPhoneで使えるなら使いたいと、当初、iMoGetterというiモードメールアプリを購入してみました。基本的に手動受信ですので、まあ要するに自分でセンター問い合わせをする事になります。しかしiMoGetterには[疑似プッシュ機能]があり、例えば10分間隔等の時間を指定して自動的に受信を確認する、という事が可能です。この話、前出のauの現状とほぼ同じですね。つまり、SIMフリー版iPhoneでiモードメールを使う場合、iMoGetter等のiモードメール対応アプリを購入すれば、auと同じメール環境は簡単に構築できるという訳です。(iモード.net使用料の月額210円が発生するのはちょっと困りものです が・・・)

iMoGetter等のiモード対応メールアプリも良いのですが、1つ欠点があります。それは、添付ファイルの取扱です。私が調 べた所、6つ程あるiモードメール対応アプリの内、添付ファイルを受信する事ができるものは1つだけ。そして添付ファイル付きのメールを送信できるアプリ は1つもありませんでした。テキストと絵文字だけ、またリアルタイムではなくてもよければ、iMoGetter(添付ファイルがある事は解ります)をお奨 めしますが、添付ファイルがからんでくると、全く使えません。どうしたものか・・・。

iMoGetter App
カテゴリ: ユーティリティ
価格: ¥300

そこで私は、iモード.netに月額210円というコストもかかっているのだから、どうにかリアルタイム受信ができないものかと更に調べてみました。すると、最終的に行き着いたのは「imoten」というサーバプログラムでした。imotenは、iPhone上でリアルタイムでiモードメールをやりとりで きる環境を提供する仕組みを作り出す定番のサーバプログラムです。構築するには色々と必要なものがありますので、万人向けではありませんが、確実にSIM フリー版iPhone上でiモードメールがリアルタイム受信出来るようになります。

imotenを使って、iモードメールをリアルタイム送受信する

「imoten」はiモードメールをiモード.net(月額210円)を経由して、別のメールアドレスへ転送するサーバプログラムです。設置設定するにあたり、必要なものは次の通りです。

1.Java SE6環境を含むサーバ(Windows、Linux、MacOSX)
2.上記サーバ環境に応じたimotenプログラム
3.プッシュ通知可能なメールアドレス(私はYahoo! メールにしました)
4.iモード.netとの契約(注意:FOMA携帯で事前に行っておく必要があります)

設 置にあたり最大の悩み所はサーバをどこに用意するか、になります。ネット上で情報を集めてみると、Cent OS(Linux)の使えるVPSサーバ(さくら等)をレンタルするケースが多く見られましたが、一般的なウェブサーバを借りるのと違って選択肢は少な く、また490円〜数千円の月額レンタル料金が別途発生します。iモードメールのために、iモード.netの月額210円以外に更にコストをかけるのは抵 抗があります。そこまでコストをかけるなら、iモードメールは封印して、iPhoneで普通に使えるプッシュ通知対応のメール(iCloudを使えば Appleから貰える@me.comや、設定次第でプッシュ通知OKなGmailやYahoo!メール)に切り替えればコストもかからず、快適なメールの やりとりがPCメールだけでなく携帯のキャリアメールともできます。

しかし、ここまできたら私としては、何とか実現したい。サーバを借りよ うか・・・うーん・・・。悩みましたが、ふと、imotenのサーバプログラムにMacOSX版がある事に気が付きました。そして幸いな事に、最近ほとん ど使わなくなってしまったCore 2 Duo時代のMac miniが眠っている事を思い出し、自宅にMac miniを使ってimotenサーバを構築する事を思い付きました。これならばサーバを借りるコストはかからないし、メールのやりとりを行うだけなら、自 宅のフレッツ光回線で十分対応できると思いました。

imoten – imode.netのメールをSMTPで転送するプログラム

か くして、Mac mini(MacOSX Lion)に、imotenプログラムをインストール。自宅のフレッツ光ルータに接続し、imotenサーバを構築する事に成功しました。光ルータには、 アドレス変換でMac miniへアクセスできるようにポート指定とあわせて設定をし、外部からアクセス(iPhoneの送信メールサーバ指定で使用します)できる様にします。 この後、iPhone側でimotenを含めたメールの設定を行います。(すみません、諸々の設定方法はひとまず割愛します)尚、imotenとしての一 連の動作は次の様になっています。

iモードメールを受信する場合
iモードメール(@docomo.ne.jp)宛にメールが届くと、iモード.netを常時監視しているimotenサーバがiモードメールをiモー ド.netから取得します。取得したメール内容は全て、imotenにて設定済みのプッシュ通知可能な外部メール(私の場合はYahoo! メール)へimotenによって転送されます。転送されたメールは、外部メールサービスによって、設定済みのiPhoneにリアルタイム通知されます。つ まり、iPhoneで受信時の宛先メールアドレスは自分が使っているiモードメールのメールアドレスではなく、転送先の外部メールアドレスが表示される事 になります。私の場合、相手が「@docomo.ne.jp」宛に送っていますが、到着時は「@yahoo.co.jp」宛に送信した様に表示される訳で す。私の場合のメールデータの経路は次の様になります。

[相手]→[iモード.net]→[imoten]→[Yahoo!メール]→[iPhone]

iモードメールを送信(返信)する場合
iPhoneからiモードメールとして送信する場合、受信とは逆の流れになるわけですが、受信に使っているYahoo!メールは使いません。iPhone 側でのメール設定の際、送信サーバトしてimotenを指定しますので、私の場合、次の流れを経て相手にiモードメールとして届きます。

[iPhone]→[imoten]→[iモード.net]→[相手]

imoten はiモード.netの常時監視&転送と、送信サーバの2つの役割を担っています。ここでやっかいなのが送信サーバとしてimotenを指定する事 でしょうか。つまりimotenの動作するサーバのIPアドレスが必要になる事です。レンタルサーバへimotenを構築した場合は固定のアドレスやドメ インが存在するので、それを使えばOKです。また私のように自宅サーバの場合はプロバイダの提供する固定IPサービスやダイナミックDNSサービスを使っ て特定のアドレスを取得すると便利です。ただ、固定IPもダイナミックDNSもきちんとするとやっぱり月額費用が発生します。もうこれ以上の出費は避けた い私は、固定IPもダイナミックDNSも使わず、普通に光ルータに発行されているIPアドレスを使いました。但し、ルータの設定を変更してリセットした り、停電したりして再起動する度にIPアドレスはプロバイダから取得し直されて都度変化します。その時はiPhone側の送信メールサーバ名を修正しなくてはなりませんが、ルータは常時電源も入れている機器ですから、一旦取得したIPアドレスはルータが再起動しない限り固定されています。今後、あまりに ルータを再起動する状況にでもなれば、固定IPやダイナミックDNSを検討しますが、ひとまず使う分にはこれで十分です。

imotenのお 陰で、FOMA携帯の頃と変わらずiモードメールを送信、リアルタイムで受信できるようになりました。ついでに絵文字もデコメールもOKです。添付ファイルも送受信でき、メール内で添付ファイルを見る事が出来るようになりました。iMoGetter等のアプリを使うと、それぞれのアプリ内でのメールボック スになるため、iPhone標準のメーラーとは別の管理になっていましたが、imotenを使った場合はiPhone標準のメーラー内に設定できますので、他のメールと一元管理できます。もちろんiPhoneの通知機能にも反映しますので、これまでの携帯と同様に着信があれば通知によってすぐに着信がわ かり、とても便利です。

Mac miniをimotenサーバにしたは良いけれど・・・

iPhone でiモードメールがドコモ携帯と同じ様に利用できるようになった事は喜ばしいのですが、この仕組みの要は当然ながら「imoten」です。心から作者の方に感謝申し上げたいと思います。そして、imotenを動かしているわが家のMac mini。やっぱり24時間動かすのは酷なので、夜0時〜朝8時の間は休んでもらうよう、Macの省エネルギー設定で電源のオン・オフを自動設定しました。というわけで、この間は私のiPhoneにiモードメールは届きませんので、予めご了承を(^_^; 朝8時を過ぎれば、その間に届いたiモードメールは一括してiPhoneに届きますので、ご安心(?)下さい。

ちなみにimotenを利用すれば、iPhoneでなくても、またドコモでなくてもiモードメールを送受信できます。SoftBank版、au版iPhoneでもiモードメールが使えますし、送受信サーバの設定が細かくできる メーラーを持ったネット接続可能な携帯・PCであれば、何でもOKです。

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