いいだ人形劇フェスタ2009ポスターコンペ参加作品

■デザイン/企画提案書

0.タイトル
「結」 〜 結んでつなぐ、その歩み。 〜

1.デザインコンセプト
いいだ人形劇フェスタが30年を経て31年目を迎える2009年は、次なる40年目に向けての最初の一歩となる、とても重要な年であると思います。30年を経た現在、これまでの“継続”という流れに加えて“継承”という伝統的意味合いも持ち合わせていく時ではないかと考え、飯田を代表する伝統産業である「水引」をモチーフに、「人」の字に見立てた“紅白の結びの曲線”を柱に、「人々の結び付きが成し遂げる、いいだ人形劇フェスタ。」という想いを込めてデザインをしました。

ポスターは注意と興味を持って見てもらう事で、はじめて情報を伝達する媒体と考えます。そのため本ポスターデザインでは、遠くからの視認性と、一瞬でも認識でき注視してもらえる事を目的に、“紅白の結びの曲線”をインパクトある大きさで展開し、更に濃い青をベースとした背景色を用いる事で明暗差を大きくし、より際立たせ、視認性を向上させる効果を狙っています。また使用色には、大和言葉で色を表す言葉だったとされる、「あかい、あおい、しろい、くろい」(赤、青、白、黒)の4つの日本古来より用いられている色(別添資料「日本古来の色とは?」「大和言葉」参照)を限定して用いる事で、30年という伝統的雰囲気作りを目指しました。

飯田に限らず日本人の生活に浸透している、儀礼と伝統の象徴「水引」を想起してもらう事は、老若男女問わずポスターへの注意と興味に加えて「馴染み感」を持ってもらえるものと考えます。また、人と人との結びつきが成し遂げるいいだ人形劇フェスタにとって、人と人を結ぶ時に用いられる「水引」は、飯田という共通の地において正に象徴的な存在であると考えます。

2.デザイン要素
2-1.人(人の形)
ポスターデザインの柱となる“紅白の結びの曲線”は「人」の文字を象り“人形”としてデザインしました。

2-2.結ぶ(結い)
“紅白の結びの曲線”には文字通り「結び」の意味と、“飯田”の語源とも言われる「結い田」の“結い=相互協力”の意味を込めました。

2-3.あゆむ
30年を経て次なる節目の40年へ。
新たな気持ちで踏み出す、大きな1歩を「人」の字で表しました。

■連携提案

ポスターデザインと連携して展開する事で、いいだ人形劇フェスタを通じて「地域としての飯田」のPRとブランド構築に繋がるご提案。

1.水引の大生産地としての飯田
人々の結びつきが成し遂げる、いいだ人形劇フェスタ。
人と人、心と心を結ぶ、水引。
同じ「結ぶ」という共通項を持つフェスタと水引は、いずれも飯田を代表するシンボルです。
既にフェスタでは劇人ワッペンという形で水引が使われていますが、フェスタ期間中に限らず通年の対外的な広報で、「結」をテーマにフェスタと水引が連携した飯田のPRが展開できると思います。

2.2016年東京オリンピック・パラリンピック大会招致応援
飯田市が応援している、2016年東京オリンピック・バラリンピック大会招致において、その招致エンブレムに「水引」をモチーフにしたロゴマークが採用されています。本ポスターデザインも水引をモチーフにしており、同じ「結び」をテーマに連携できる要素を含んでいます。例えば、同招致応援と連携してポスターデザインに招致ロゴマークを入れる事で、対外的なPRの場面において飯田市と人形劇フェスタPRの相乗効果が期待できる機会を得る事ができるものと思います。
同大会招致は2009年10月2日に、東京を含む世界の候補都市の中から開催都市が決定します。フェスタの開催期間は正に招致活動が佳境を迎える時期にあたり、飯田市が表明している応援姿勢の中で連携する事は、飯田市にとってもフェスタにとっても最大の地域PRの機会を得る事ができるものと考えます。

3.飯田市「結いターン」事業
飯田市が展開しているU・Iターン事業「結いターン」との、「結び」をキーワードにした連携。
例えば、ポスターデザインの中に同事業のロゴマークを併記する事で、対外的なPRの際に結いターン、フェスタが共に「結び」を通じた地域づくりをアピールする事で、飯田という地域PRに繋がるものと考えます。

OVERVIEW

いいだ人形劇フェスタ2009ポスターコンペ参加作品。残念ながら採用にはなりませんでしたが、コンセプトとして地元飯田の「水引」と、日本の伝統色4色での構成が気に入っているので、デザイン参考として掲載します。

DATE

2009.01.11

PROJECT

ポスターデザイン

CLIENT

いいだ人形劇フェスタ実行委員会